『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』という書籍に出会いました。
この教本の対象者は、中学生レベルの英語力と言われていますが、大人のやり直し英語に最適の書籍だと思います。書籍の紹介をしつつ、私が気づいたポイントを紹介していきたいと思います。
”not”の品詞は、副詞です。
英語に携わって〇十年、”not”の読み方や使い方はマスターしていても、品詞を気にしたことは一度もありませんでした。
私がこの教本にはまったのは、この丁寧さにあります。
黄リー教
知る人ぞ知る英語の教本で、「黄リー教」と呼ばれています。
他の文法書と異なる点の特徴を、本書の「はじめに」で著者が説明されているので、以下に引用します。
本書は英文法を総覧するいわゆる文法書ではありません。英語の「最も大事なこと(=品詞と働きと活用の相互関係)」を身に着けるための教科書兼ワークブックです。
研究社『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』薬袋善郎箸 p.ⅲ「はじめに」より
この「相互関係」が最も大事だと、本書で著者は語っています。
そして、この教本を読み進めることで、難解な英語にあたっても「読み間違える」ことがないと著者は言います。
対象読者
冒頭にも述べましたが、この本の英語力は中学生レベルとあります。
私個人(中1の娘を持つ親)の感想としては、説明は分かりやすいのですが、内容が細かく量も多いので、中学生が読みこなすのは難しいのでは、という印象があります。
英文法の基礎が出来ている高校生からなら、これまで学んできたことの補強として、最適な本だと思います。
そして何より、受験英語をとことんやりつくしたけど、英文を読むのが苦手な大人の方には、やり直し英語として、最適な書籍だと思います♪
“her apple”の”her”の品詞
この教本が他の文法書とは違う特徴の一つに、著者の考え出した「品詞と働きと活用の相互関係」を徹底的に頭に叩き込むような構成になっていることです。
例えば、
私が英文を読んでいて、”her apple”と出てきたら、「her=所有格」となり、「彼女のリンゴ」と読むことが出来るので、この英語に対して疑問を感じたことなどありませんでした。
つまり、中学英語を習ったほとんどの大人が、英文を読むことに”her apple”は、難解ではありません。
しかしながら、本を読み進めていくことで、”her”の品詞や相互関係を気にしないと、この先に出てくる難解な英文を読みこなすことが出来ないと気づきます。
私は、冒頭の”not”の品詞を気にしたことがなかったのと同様に、”her”の品詞など気にしたことがありませんでした。
“her”には2つの品詞
”her”には2つの品詞があります。名詞(彼女)と形容詞(彼女の)です。
学校では、おそらく「her」は、「所有格」もしくは「名詞の所有格」と習うと思います。
よく考えれば、所有格とは何でしょう。
そもそも「格」って何でしょう。
『広辞苑』で調べてみました。
きまり。法則。規則。
名詞や代名詞などの文中における文法的・機能的働き。また、それを表す言語形式。
岩波書店『広辞苑第7版』p517(一部引用)
では、この書籍に倣って、“her apple”の”her”を見てみると、
品詞は、形容詞。
働きは、名詞修飾。
呼び名は、所有格。
形容詞(her)が名詞(apple)を修飾しています。
これまでの私の頭では、「”her”=所有格」,「”apple”=名詞」でした。
この書籍を読むことで、「”her”=形容詞」,「”apple”=名詞」として英文を見ることができるようになったのです。
この違いに気づけたことは、私の中では大きかったです。
まとめ
この教本では一貫して、全ての英語の例文に、「品詞と働きと活用の相互関係」を示してあります。
英文をきっちり分解し、語句のかかりを明確にしています。
最初から最後まで全ての英文にです。
読者(学習者)は、はじめから読み進めることで、この丁寧さにずっと導かれて学びを進めることができます。
実は、私はまだ最後まで読めていないので、今後も本書の中で出てきた私なりの「目からウロコ」の気づきがありましたら、別途記事にしたいと思います。
本屋さんで見かけたら、是非手にとって中を見てもらえたら、この本のすごさが分かってもらえると思います。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
今回、ご紹介した書籍です。
研究社『基本文法から学ぶ 英語リーディング教本』薬袋善郎箸
次のレベルは、
研究社『基本から分かる 英語リーディング教本』薬袋善郎箸
その次のレベルは、
研究社『基本から鍛える 英語リーディング教本 ドリル』薬袋善郎箸
岩波書店『広辞苑』