農業と環境問題の関係を知ろう! ~自由研究の課題にも~

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環境

私は長年翻訳に携わっているのですが、主に環境問題のトピックが多く、個人的にも非常に関心が高い分野です。今回は、農業と環境問題の関係性について興味深いものだったので、みなさんにも共有したいと思います。

また、この問題に関して詳しい書籍、枝廣淳子氏の『農業が温暖化を解決する!』を読んで、参考になりましたので、こちらでもご紹介させて頂きます。書籍の感想や、他の参考になるサイトを中心に、今の農業の問題ばかりでなく、今後の明るい未来についても取り上げ、今の私たちにできることを考えてみます。

環境問題に興味がある方農業に興味がある方食品を買い物する方夏休みの課題を迷っている方、他すべての方にお役に立てると嬉しいです。

尚、紹介した書籍の内容を網羅した記事ではなく、あくまで参考として紹介しています。

詳しくは、是非、枝廣淳子氏の書籍を読んで頂ければと思います。

農業の現状を知っておこう!

以下は、『農業が温暖化を解決する!』枝廣淳子著 岩波書店 p.2 序章からの引用です。

”農業は、温暖化問題の「被害者」であり、「加害者」であり、「救いの女神」でもある。”

農業が環境問題の被害者や加害者であるというのは、何となく理解できますが、「救いの女神」というのは、すごく興味深いものです。

地球温暖化とは

その前に「地球温暖化」について軽く説明したいと思います。

地球温暖化の主な原因は、人間が活動することで大量に排出される温室効果ガス(GHG)です。

GHGは、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N20)、フロン類になります。

このGHGが、よくニュースにもなっている「異常気象」を引き起こして、
わたしたちを困らせているのです。

農業は地球温暖化の「被害者」

地球温暖化が農業に与えるマイナスの要因(被害)をいくつかまとめてみました。

作物現象原因
コメ白くなる
ひび割れが生じる
イネの穂(稲穂)が出てから実るまでの間に高温が続く
みかん味が悪い
くさりやすい
高気温、水不足、強い日光、熱帯生息の虫の発生
きゅうり育ちが悪くなる
収穫量が減る
台風による塩害
牛乳生産量の低下高温による牛の体調不良、食欲不振など

農業は加害者でもある!?

農業が加害者と言われるいくつかの例をまとめてみました。

従来の農業慣行要因
森林伐採(農地拡大のため)炭素吸収源の減少
耕作(土を耕す)植物の根や微生物によって貯留された炭素の放出
合成肥料温室効果が二酸化炭素の約310倍あるとされる亜酸化窒素を含む
牛のげっぷメタンガスの発生

書籍には、他にもいろいろな例があげられていました。

 

農業が救いの女神になれるとは?

先述した内容だと、農業と環境問題の関係は、あまりよくないですね。

枝廣氏は「救いの女神」として、これからの農業を表現しています。
この言葉、すごくいいなと思いました。
暗い気持ちになりがちな環境問題も、気持ちが明るくなれます!

(書籍『農業が温暖化を解決する!』第三章『温暖化の「解決策」としての農業』参照)

簡単に言いますと、これまでの農業慣行を見直して、農業が温暖化対策を行うことで、環境問題対策の鍵となるのです。2つの例をご紹介します。

  • リジェネラティブ(環境再生型)農業:土壌の有機物を守ることで炭素の流出を防ぐ方法

 One Earthのサイトも参考になりますので。以下にURLをご紹介します。
https://www.oneearth.org/regenerative-agriculture-can-play-a-key-role-in-combating-climate-change

  • カーボン・ファーミング(炭素農業):炭素を土壌に取り込み、GHG排出量を削減する方法                    

 カーボンファーミングの一環としてバイオ炭の取り組みについての記事が書かれているサイトを以下にご紹介します。こちらも書籍の著者枝廣淳子氏が進められているプロジェクトです。
https://www.mirai-biochar.net

私たちにできること

環境問題の話しをするときは、できるだけ身近な生活に置き換えて考えてみるとよいでしょうね。

「農業 → 農産物 → 野菜や果物、肉類」と考えると、私たちが毎日食べているものです。
スーパーで見かける品物と環境問題とを結びつけて考えて見てみましょう。

これを読んで下さっている方は、農業(生産者)関係の方もいると思われますが、多くは、消費者にあたる方々だと思います。

消費者は、商品を選べる側の立場です。

書籍の終章『消費者の役割』で枝廣氏も触れていますが、消費者として、もっと自分たちの口に入る「食べ物」に関して、関心を持って欲しいと書かれていました。

ここで、消費者庁のサイト『持続可能な農業の推進』から以下引用文を掲載します。

~~~~~ここから引用~~~~~~~

行動の具体例

学ぶ

a.有機農業や環境に配慮した農業生産や消費にかかる現状について知る

b.有機農業等の生物多様性保全等の環境保全効果について知る

c.シンポジウムなどに参加してみる

d.農産物の栽培体験などに参加してみる

e.イベントなどで知った情報について周りの人と共有する

やってみる

a.有機JASや環境に配慮していることを示す表示がないか確認して購入する

b.有機野菜料理教室に参加してみる

c.自分で有機野菜などを育ててみる

~~~~引用ここまで~~~~

何か一つでも、自分で実際に行動しててみることが大事だと思います。

「買う」という行為は、その生産者や販売者に投票することと同じです。

これから広めたいと思っている活動をされている方への応援です。

廻り廻って自分に戻ってくると思ってみましょう。

例えば、スーパーに有機栽培の人参(200円)とそうでない人参(150円)が並んでいるとします。

自分(消費者)が値段だけを考えて150円の方を買ったとします。

この150円は、販売者 → 生産者 に還元(応援)されていきます。

そうなると、この販売者も生産者も自分たちの行動が応援されたので、

このまま続いていき、発展していきます。

その未来はどのようなものになるでしょうか。

いずれスーパーには、この150円の人参しか入ってこなくなります。

消費者である自分もこの150円の人参しか買えなくなるのです。

 

でも、もし有機栽培の人参を200円で買ったとします。

同じように販売者と生産者に還元(応援)されます。

両者は、消費者のニーズがあると考えるので、このまま発展していきます。

そうなると、いずれスーパーには、有機栽培の野菜が優先的に置かれるようになります。

すると、他の生産者も人気がある有機栽培の野菜を作るようになります。

そうなると、スーパーに並ぶ人参は、

有機栽培(A農家)200円 有機栽培(B農家)198円 という日がくるでしょう。

自分(消費者)は、値段のことだけ考えて買い物することができるのです。

どうでしょうか、こうやって考えてみると、

人参1本を買う行為で、行きつけのスーパーの未来が変わってしまう

と思うと、買い物一つとっても、責任がかかってくると思いませんか?

 

夏休み研究課題のヒント

先ほどの消費者庁の「行動の具体例」からヒントを得て、

夏休みの研究課題になりそうなテーマをまとめてみました。

あくまで私の提案です(*^^*)

1)スーパーで買い物するだけで、環境問題を解決!

  ・有機栽培について

  ・有機栽培と環境問題について

  ・スーパーで有機栽培の野菜が売られているか
  (数件巡って、種類や数、他の野菜と比べた値段)

  ・自分がどう思うか

  ・どうなったら世界がよくなると思うのか

2)お肉や牛乳ってどのように作られるの?

   ・牛肉が作られている工程

   ・飼育されている環境

   ・酪農と環境問題について

   ・スーパーでのお肉の売り方
   (環境に配慮さえていることが、買う人に分かるようになっているか)

   ・自分はどう思うか

   ・どうなったら世界がよくなると思うのか

ここで、小中学生の方に(大人も)参考になる書籍を4冊ご紹介します。

 

KADOKAWA『地球をまもるってどんなこと? 小学生のわたしたちにできること』

毎日のくらしのことから地球のことを考える10歳の少年が書いた本なので、小学生にとって、地球環境のことをわかりやすく学べる本です。

 

旬報社『ウシのげっぷを退治しろ』

ウシのげっぷがどうして環境に悪いのか、そこから世界的な研究プロジェクトにつながります。

 

カンゼン『こどもSDGs(エスディージーズ) なぜSDGsが必要なのかがわかる本』

環境問題全般について知るには、イラストが多くてわかりやすい本です。

 

農文協『ほんとうのサステナビリティってなに?』

環境問題と農業のテーマでわかりやすく解説されています。

 

SDGsについてわかりやすい漫画で紹介されているサイトを以下にご紹介します。
SDGsをマンガで読み解く (highmoonkobo.net)

まとめ

今回は、『農業が温暖化を解決する!』という書籍から、農業と環境問題について
簡単にまとめてみました。

小中学生の子どもがいる我が家では、夏休みの課題に環境問題を取り上げることが多く、
我が子にすすめする内容をこちらでも共有してみました。

是非、みなさんにも関心を持ってもらい、何か一つでも行動してもらえたらと思います。

行動することで、次の新しい何かが見えてくるし、他の誰かにも伝えることができます。

私のように環境問題について世界の動きを知って、もっと日本に伝えたい、と思われてる方は、
こういった書籍から言葉を拾って集めてみると、色々と表現の勉強にもなります。

私はいつもこの「表現拾い」をするので、新らしく買った本が、いつもマーカーと付箋だらけになってしまい、家族からは不評です(^_^;)

枝廣氏の書籍は、こちらになります。

 

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
みなさんが少しずつでも行動することが、明るい未来の救いの女神となるでしょう☆

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